長期・積立・分散の​考え方を知る

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約9分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 長期・積立・分散が、​それぞれ何に​ついての​考え方かを​説明できる
  • 積立投資で、​基準価額に​よって​買える​口数が​変わる​仕組みを、​例で​説明できる
  • 三つの​考え方の​効果に​限りが​あり、​損失が​出うる​ことを​説明できる

先に読むとよいレッスン:投資とは何か、株式・債券・投資信託を比べる

目次

三つの​考え方の役割

三つは、​時間の​長さ、​買う​時期、​投資先と​いう​別々の​面から、​価格の​動きに​備える​考え方です。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

金融庁(出典「資産形成の基本(NISA特設ウェブサイト)」を別のタブで開きます)は、​株式や​投資信託などへの​投資に​ついて、​預貯金より​高いリターンを​期待できる​一方で​元本割れの​おそれも​あるとしたうえで、​「長期投資」​「」​「」と​いう​三つの​工夫を​紹介しています。​レッスン​「投資とは​何か」では、、​積立投資、​分散投資の​意味を​簡単に​見ました。​このレッスンでは、​それぞれが​何に​ついての​考え方か、​買える​口数の​計算、​効果の​限界を​見ていきます。

三つの​考え方​(金融庁の​説明の整理⁠)

考え方何をするか金融庁が挙げる点
長期投資長い​期間、​投資を続ける複利の​効果が​大きくなる
積立投資あらかじめ決めた​金額を、​続けて投資する少額から​始められ、​買う​時期の​偏りを​避けられる
分散投資値動きが​異なる​複数の​資産に分ける価格の​変動を​ある程度​抑えられる

やさしく​言うと、​長期は​「時間を​長くとる」、​積立は​「買う​時期を​分ける」、​分散は​「お金を​入れる​先を​分ける」​考え方です。

要点

長期は​期間、​積立は​買う​時期、​分散は​投資先に​ついての​考え方です。

長期投資の​効果と注意点

長い​期間では​1年あたりに​ならした​成績が​安定する​傾向が​ある一方、​最終的な​結果の​ブレは​大きくなりえます。

J-FLEC(出典「長期投資:ちょうきとうし」を別のタブで開きます) は、を、​数か​月や​1年ではなく、​5年、​10年などの​長い​期間、​投資を​続ける​方法と​説明しています。​資産運用業協会(出典「資産運用で大切なこと|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​市場は​短い​期間では​一時的な​要因で​大きく​変動する​ことが​あるが、​長い​期間で​みると、​この変動の​リスクが​小さくなる​傾向が​あると​説明しています。

日本証券業協会(出典「長期保有をすることで、かえって損失が大きくなることはありませんか?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)は、​長期投資の​利点と​して、​複利の​効果が​得られる​こと、​運用成績の​悪い​時期と​良い​時期が​ならされて、​一年​あたりの​平均的な​収益率が​安定する​傾向が​あること、​短期的な​動きに​惑わされずに​長期的な​視点で​考えられる​ことを​挙げています。​ただし同協会は、​投資期間を​長く​する​ほど​不確定な​要素も​増える​ため、​最終的な​運用成果の​ブレが​大きくなる​可能性は​否定できないとも​述べています。

やさしく​言うと、​長く​続けると、​1年あたりに​ならした​成績は​安定しやすく​なりますが、​最終的な​金額の​幅は​大きくなりえます。

要点

長期投資では、​1年あたりに​ならした​成績が​安定する​傾向が​ある一方、​最終的な​運用結果の​ブレが​大きくなる​可能性は​残ります。

積立投資と​買える口数

毎月​同じ金額で​買うと、​基準価額が​低い月は​多く、​高い月は​少なく​買えます。

J-FLEC(出典「積立投資:つみたてとうし」を別のタブで開きます) は、​積立投資を、​一度に​まとめてではなく、​定期的に​一定​額ずつ積み立てる​形で​金融商品に​投資する​ことと​説明しています。​購入時期を​分ける​ことで、​値上がり・値下がりの​リスクを​抑える​効果​(買う​値段を​ならす​ことで、​平準化と​いいます。​この教材の​補足)が​あると​しています。

資産運用業協会(出典「資産運用で大切なこと|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​長期に​わたって​定期的に​一定金額で​同じ商品を​買い付ける​方法をと​呼んでいます。​投資信託の​場合は、​(1口あたりの​値段)が​高いときは​購入口数​(取引の​単位​「口」の​数)が​少なくなり、​低いときは​多くなる​ため、​平均買付金額を​引き下げる​効果が​期待できると​説明しています。

架空の​例:毎月​1万円を​4か​月積み立てる場合

これは​架空の​数字です。​ある投資信託を​毎月​1万円ずつ​買います。​1万口あたりの​基準価額が、​1か​月目から​順に​1万円、​8,000円、​1万円、​1万2,500円だったとします​(手数料や​分配金は​考えません⁠)⁠。

  1. 買える​口数は、​1か​月目が​1万口、​2か​月目が​1万2,500口、​3か​月目が​1万口、​4か​月目が​8,000⁠口です。
  2. 合計4万円で、​4万500口を​持ちます。​平均買付金額は、​4万円÷4万500口×1万口で、​1万口あたり約9,877⁠円です。
  3. 4か​月目の​基準価額1万2,500円で​評価すると、​4万500口は​5万625⁠円です。

基準価額が​下がった​2か​月目に​多くの​口数を​買えた​ため、​平均買付金額は、​4回の​基準価額の​単純な​平均​(1万125円)より​低くなりました。

やさしく​言うと、​値段が​下がった​月は​多く、​上がった​月は​少なく​買うので、​買う​値段が​ならされます。

要点

積立では、​基準価額が​低い月は​買える​口数が​増え、​高い月は​減る​ため、​買う​値段が​ならされます。

確認問題

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分散投資の​三つの方向

分ける​ものには、​資産、​地域、​時間が​あります。

J-FLEC(この節の出典の一覧へ) は、​分散投資を、​特徴の​異なる​複数の​資産を​組み合わせる​「資産の​分散」、​複数の​地域や​通貨を​組み合わせる​「地域の​分散」、​投資の​タイミングを​何度かに​分ける​「時間の​分散」などを​用いた​投資手法と​説明しています。​分散に​よって、​リスクを​減らす効果が​期待できると​しています。

分散の​三つの​方向​(J-FLEC の​説明を​もとに​した整理⁠)

分散の種類分けるもの例
資産の分散特徴の​異なる資産株式と​債券に分ける
地域の分散地域や通貨国内と​海外に分ける
時間の分散買う​タイミング毎月、​一定額を​積み立てる

資産運用業協会(出典「資産運用で大切なこと|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​同じ金額で​同じ投資信託を​何回かに​分けて​投資する​ことを​「時間の​分散」とし、​その方法の​一つである​ドル・コスト​平均法は、​投資信託の​積立投資で​行えると​説明しています。​投資信託に​ついては、​J-FLEC が、​さまざまな​商品を​組み合わせて​運用する​ため、​分散投資に​なってリスクを​軽減できる​特徴が​あると​しています。​ただし中身は​投資信託ごとに​違い、​日本証券業協会(出典「投資信託のリスクの高低はどう見分ける?|投資の時間|日本証券業協会」を別のタブで開きます)は、​株式ばかり​入っている​投資信託も、​債券ばかり​入っている​投資信託も​あると​述べています。

やさしく​言うと、​同じ「分散」でも、​何を​分けるのかが​違います。​投資信託を​1本持つだけでは、​中身が​偏っている​場合も​あります。

要点

分散には、​資産、​地域、​時間の​三つの​方向が​あり、​積立は​時間の​分散に​あたります。

確認問題

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積立でも​損失が出る場合

買える​口数が​増えても、​基準価額が​下がり続ければ、​評価額は​支払った​額を​下回ります。

資産運用業協会(出典「資産運用で大切なこと|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​ローリスクで​ハイリターンと​いう​都合の​よい​金融商品は​存在しないと​説明し、​リスクを​できる​限り​小さく​する​方法と​して、​長期・積立・分散の​三つを​挙げています。​これらは、​リスクを​「小さく​する」方法で​あって、​「なくす」​方法では​ありません​(この​教材の補足⁠)⁠。

架空の​例:基準価額が​下がり続けた場合

これは​架空の​数字です。​毎月1万円を​4か​月積み立てます。​1万口あたりの​基準価額が、​1万円、​8,000円、​6,250円、​5,000円と​下がり続けたとします​(手数料や​分配金は​考えません⁠)⁠。

  1. 買える​口数は、​1万口、​1万2,500口、​1万6,000口、​2万口と​増え、​合計5万8,500口に​なります。
  2. 1万口あたりの​平均買付金額は、​4万円÷5万8,500口×1万口で、​約6,838⁠円です。
  3. 4か​月目の​基準価額5,000円で​評価すると、​5万8,500口は​2万9,250⁠円です。

4万円を​出して、​2万9,250円に​なっています。​1万750円の​損失です。​平均買付金額が​下がっても、​基準価額が​それより​低いままなら、​損失に​なります。

やさしく​言うと、​積立は​「高い​ときにだけ買う」ことを​避ける​工夫で、​値下がり​そのものを​防ぐ​工夫では​ありません。

要点

積立投資でも、​基準価額が​下がり続ければ​損失が出ます。

分散でも​損失が出る場合

分散は​変動を​小さくしますが、​損失を​なくす方法では​ありません。

金融庁(出典「資産形成の基本(NISA特設ウェブサイト)」を別のタブで開きます)は、​分散投資で​価格の​変動を​「ある​程度​抑えられる」と​説明しています。​値動きが​似た​資産ばかりに​分けたり、​すべての資産が​同時に​値下がりしたりすると、​その効果は​小さくなります​(この​教材の補足⁠)⁠。

架空の​例:100万円を​二つに​分けた場合

これは​架空の​数字です。​100万円を、​値動きの​異なる​Aと​Bに​50万円ずつ​分けます。​ある年に、​Aが​20%下がり、​Bが​10%上がったとします。

  1. Aは​50万円から​10万円減って、​40万円です。
  2. Bは​50万円から​5万円増えて、​55万円です。
  3. 合計は​95万円で、​5万円の​損失です。

Aだけに​100万円を​入れていた​場合の​損失は、​20万円です。​分散で​損失は​小さくなりましたが、​なくなっては​いません。

長期・積立・分散でも、元本は保証されません

資産運用業協会(出典「投資信託が持つリスク|資産運用業協会」を別のタブで開きます)は、​投資信託には​元本の​保証が​ないと​説明しています。​金融庁も、​株式や​投資信託などへの​投資では、​預貯金よりも​高いリターンを​期待できる​反面、​元本割れの​おそれも​あると​しています。

要点

分散しても、​損失が​出る​ことがあります。​三つの​考え方は、​元本を​保証しません。

続ける​ための​三つの余裕

日本証券業協会は、​心・時間・資金の​三つの​余裕を​挙げています。

J-FLEC(出典「積立投資:つみたてとうし」を別のタブで開きます) は、​積立投資を​少額で​行う​ことで、​負担感を​抑えられると​しています。​日本証券業協会(この節の出典の一覧へ)は、​証券投資の​基本は​中・長期投資であり、​その間​あきらめずに​投資を​続ける​ために、​「心の​余裕​(冷静な​判断力)」​「時間の​余裕​(中・長期投資が​基本)」​「資金の​余裕​(余裕資金で​)」の​三つの​余裕を​持つことが​大切だと​説明しています。​同協会は、​分散・積立・長期を​基本方針と​して、​この三つの​余裕を​持つことが、​証券投資を​行う​ための​心構えだと​しています。

資金の​余裕は、​レッスン​「株式・債券・投資信託を​比べる」で​見た、​生活に​必要な​お金や​近く​使う​予定の​お金を​投資に​回さない​考え方と​重なります。​積立の​金額や​期間は、​収入や​支出、​お金が​必要に​なる​時期に​よって、​人それぞれ違います。

やさしく​言うと、​積立の​金額も​期間も、​「続けられる​範囲」で、​自分の​事情に​合わせて​考える、と​いう​ことです。

要点

続けるには、​心・時間・資金の​三つの​余裕が​必要だと、​日本証券業協会は​説明しています。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 長期・積立・分散は、​価格の​動きに​備える​三つの​考え方で、​損失を​なくす方法では​ありません。
  • 長期投資では、​1年あたりに​ならした​成績が​安定する​傾向が​ある一方、​投資期間が​長いほど​最終的な​結果の​ブレが​大きくなる​可能性も​否定できません。
  • 積立投資では、​基準価額が​低い月は​買える​口数が​増え、​高い月は​減る​ため、​買う​値段が​ならされます。
  • 分散投資には、​資産・地域・​時間の​三つの​方向が​あり、​積立は​時間の​分散に​あたります。
  • 基準価額が​下がり続けたり、​資産が​同時に​値下がりしたりすれば、​積立や​分散を​していても​損失は出ます。

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出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。