物価と​お金の価値

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約8分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • インフレと​デフレの​意味を、​物価と​お金の​価値の​関係で​説明できる
  • 消費者物価指数が​何を​表すかと、​変化率の​考え方を​説明できる
  • 同じ金額で​買える​ものが​物価に​よって​変わる​理由を、​例で​説明できる

先に読むとよいレッスン:家計を​見える化する、預貯金と​金利の仕組み

目次

物価と​インフレ、⁠デフレ

物価が​継続的に​上がるのが​インフレ、​下がるのが​デフレです。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

この教材では、を、​日常生活で​買う​モノや​サービスの​値段の​水準と​いう​意味で​使います。​J-FLEC​(金融経済教育推進機構)(この節の出典の一覧へ)は、​物価が​継続的に​上がり、​お金の​価値が​相対的に​下がる​ことを​(インフレ)と​説明しています。

反対に、​物価が​継続的に​下がり、​お金の​価値が​相対的に​上がる​ことを、​(デフレ)と​いいます。​どちらも、​ある商品が​一時的に​値上がりしたり、​値下がりしたりする​こととは​違い、​物価が​「継続的に」動く​ことを​指します。

やさしく​言うと、​インフレは​「同じ​金額で​買える​ものが​減っていく​動き」、​デフレは​「同じ​金額で​買える​ものが​増えていく​動き⁠」⁠です。

J-FLEC は、​物価の​変動を、​モノや​サービスの​値段が​変わる​ことと​説明しています。​物価が​下がると​相対的に​お金の​価値が​上がり、​物価が​上がると​相対的に​お金の​価値が​下がる、と​いう​関係です。

要点

インフレは​物価が​継続的に​上がる​こと、​デフレは​継続的に​下がる​ことです。

確認問題

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

同じ金額で​買える​ものが変わる

物価が​上がると、​同じ金額で​買える​量が​減ります。

お金の​価値が​「相対的に​」下がる、とは、​金額​そのものは​変わらなくても、​買える​モノや​サービスの​量が​減る​ことを​指します。​反対に​物価が​下がれば、​同じ金額で​買える​量が​増えます。

架空の​例:1,000円で​買える個数

これは​架空の​例です。​実際の​商品の​値段では​ありません。​ある品物が、​1年で​1個200円から​250円に​値上がりしたとします。

  1. 1年前:1,000円÷200円で、​5個買えます。
  2. 1年後:1,000円÷250円で、​4個買えます。

持っている​金額は​同じ1,000円でも、​買える​個数は​5個から​4個に​減りました。

架空の​例:預金の​利子と物価

これは​架空の​計算です。​税金は​考えません。​100万円を​預けて、​1年で​1%の​利子が​付き、​101万円に​なったとします。​同じ1年で、​ある品物の​値段が​3%上がったとします。

  1. 1年前に​100万円で​買えた​品物は、​1年後には​103万円に​なります。
  2. 預金は​101万円なので、​1年後に​その品物を​買うには、​2万円足りません。

金額は​増えていても、​物価の​上がり方の​ほうが​大きければ、​買える​量は​減ります。

やさしく​言うと、​お金の​数字だけでなく、​「その​数字で​何が​どれだけ​買えるか」も​見る​必要が​あります。

要点

物価が​上がる​速さが​利子の​割合より​大きいと、​買える​量は​減ります。

消費者物価指数とは

物価の​動きを、​基準の​時点と​比べた​数字で​表した​ものです。

総務省統計局(この節の出典の一覧へ)は、​物価の​動きを​とらえる​ために、​(CPI)を​作成し、​毎月​公表しています。​統計局は、​この指数を、​消費者が​購入する​商品​(財や​サービス)に​ついて、​物価の​変化を​総合的かつ​客観的に​表すものと​説明しています。

物価指数とは、​物価の​動きを​ある時点と​比べて、​比率の​形で​表した​数値です。​統計局は、​温度計が​日々の​暑さ寒さを​測るように、​物価指数は​物価の​動きを​測る​物差しの​役目を​果たす、と​説明しています。​J-FLEC(出典「消費者物価指数:しょうひしゃぶっかしすう」を別のタブで開きます) は、​基準年の​全国の​平均的な​家計消費を​100と​して、​物価の​変化に​よって​家計費が​どれだけ​変わるかが​分かる​指標だと​説明しています。

対象は、​小売段階の​財と​サービスです。​食料品、​衣料品、​電気製品などの​財に​加えて、​家賃、​通信料、​授業料、​理髪料などの​サービスの​価格の​動きも​含まれます。

やさしく​言うと、​消費者物価指数は​「私たちが​買う​ものの​値段全体が、​基準の​ときと​比べて​どう​動いたか」を​一つの​数字に​した​ものです。

統計局は、​指数の​動きが​生活実感と​合わないと​いう​声も​あると、​自らの​解説書に​書いています。​指数は​平均的な​動きを​示す​もので、​一人​ひとりの​家計の​支出とは、​中身が​異なる​場合が​あります。

要点

消費者物価指数は、​消費者が​買う​モノや​サービスの​価格の​動きを​表す指数です。

指数から​変化率を読む

2つの​時点の​指数を、​引き算ではなく​変化率で​比べます。

統計局(出典「消費者物価指数のしくみと見方 -2025年基準消費者物価指数- 3 消費者物価指数の見方」を別のタブで開きます)の​解説書に​よると、​前の​月や​前の​年からの​物価の​動きは、​2つの​時点の​指数を​単純に​引き算するのではなく、​変化率で​表します。​計算は、​2つの​指数の​差を​前の​時点の​指数で​割り、​100を​かける​ものです。

架空の​例:指数が​100から​102に​なった場合

これは​架空の​数字です。​実際の​消費者物価指数では​ありません。​ある年の​指数が​100で、​翌年の​同じ月の​指数が​102だったとします。

  1. 指数の​差は、​102−100で⁠2⁠です。
  2. 前の​時点の​指数100で​割ると​0.02で、​100を​かけると​2⁠%⁠です。

この例では、​物価は​前年から​2%上昇した、と​表せます。

変化率の​名前​(統計局の解説書⁠)

名前何と​何を比べるか
前月比当月の​指数と、​前月の指数
前年同月比当月の​指数と、​前年の​同じ月の指数
前年比当年の​年平均指数と、​前年の​年平均指数

やさしく​言うと、​「何%上がったか」は、​「前の​時点を​100とした​とき、​いくら増えたか」で​考えます。

要点

変化率は、​2つの​指数の​差を、​前の​時点の​指数で​割って​求めます。

確認問題

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

日本銀行の​「物価安定の目標⁠」

日本銀行は、​物価の​安定を​金融政策の​理念と​しています。

日本銀行(この節の出典の一覧へ)の​ページ​(2026年10月時点)に​よると、​日本銀行法は、​日本銀行の​金融政策の​理念を​「物価の​安定を​図る​ことを​通じて​国民経済の​健全な​発展に​資する​こと」と​しています。​物価の​安定が​大切なのは、​それが​あらゆる​経済​活動や​国民経済の​基盤と​なるからだと、​日本銀行は​説明しています。

日本銀行は、​「物価の​安定」を、​家計や​企業などが、​財・サービス​全般の​物価水準の​変動に​煩わされる​ことなく、​消費や​投資などの​意思決定を​行うことができる​状況と​考えています。​そのうえで、​2013年1月に、​「物価安定の​目標」を、​消費者物価の​前年比上昇率2%と​定め、​できるだけ早期に​実現すると​いう​約束を​しています。

やさしく​言うと、​日本銀行は、​物価の​動きを​気にしすぎずに、​買い物や​投資を​決められる​状態を​目指していて、​その目標を​「消費者物価の​前年比上昇率2%」と​しています。

この目標は、​日本銀行が​金融政策で​目指す水準です。​個人の​家計の​物価の​上がり方や、​お金の​使い方を​決める​ものでは​ありません。

要点

日本銀行は、​物価安定の​目標を​消費者物価の​前年比上昇率2%と​定めています。

名目の​金額と、​物価を​考えた金額

金額の​増減は、​物価の​動きと​合わせて見ます。

統計局(出典「消費者物価指数のしくみと見方 -2025年基準消費者物価指数- 1 消費者物価指数とは」を別のタブで開きます)の​解説書に​よると、​異なる​時点の​経済​活動を​比べる​ときには、​(額面どおりの​値)の​変化に​加えて、​その間の​物価​変動の​影響を​考える​ことがあります。​物価変動の​影響を​取り除いた​ものをと​いい、​名目値を​物価指数で​割って​求めます。

架空の​例:月給と​物価の動き

これは​架空の​例です。​ある人の​月給が、​1年で​30万円から​3%増えたとします。​同じ1年で、​買う​ものの​物価が​5%上がったとします。

  1. 月給の​額面は、​30万円から​30万9,000円に​増えています。
  2. 1年前に​30万円で​買えた​ものは、​物価が​5%上がると、​31万5,000円かかります。
  3. 増えた​あとの​月給30万9,000円では、​1年前と​同じ量を​買うのに​6,000円足りません。

額面が​増えても、​物価の​上がり方が​上回れば、​暮らしの​実感と​しては​楽に​ならない​ことがあります。

この教材が言っていないこと

インフレの​ときに、​何を​買えば​よい、​何を​すれば​守れる、とは、​この教材は​述べていません。​資産の​運用には​損失の​可能性も​あります。​物価の​動きは、​家計を​考える​ときの​一つの​要素です。

やさしく​言うと、​「金額が​いくら増えたか」と​「物価が​どれだけ​上がったか」の​両方を​見て、​はじめて​暮らしへの​影響が​分かります。

要点

金額の​増減は、​物価の​動きと​合わせて​見ると、​暮らしへの​影響が​分かります。

理解度チェック

問題を​読み込んでいます。​表示されない​ときは JavaScript を​有効に​してください。

まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • インフレは​物価が​継続的に​上がり、​お金の​価値が​相対的に​下がる​こと。​デフレは​継続的に​下がる​ことです。
  • 物価が​上がると、​同じ金額で​買える​モノや​サービスの​量が​減ります。
  • 消費者物価指数は、​基準の​時点と​比べた​物価の​動きを​表します。​変化率は、​差を​前の​時点の​指数で​割って​求めます。
  • 日本銀行は、​物価安定の​目標を​消費者物価の​前年比上昇率2%と​しています​(2026年10月時点の​ペ⁠ー⁠ジ⁠)⁠。

このレッスンに出てきた用語

このカテゴリのレッスン

次に読む

レッスン一覧へ戻る

出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。