交換業者と​利用者を​守る決まり

  • レベル やさしい
  • 読む時間 約10分
  • 最終確認日 2026年10月11日
  • 投資を勧めるものではありません

このレッスンで分かること

  • 暗号資産交換業者の​役割と、​登録制の​しくみを​説明できる
  • 登録業者か​どうかの​確かめ方と、​利用者の​資産を​守る​決まりを知る
  • 決まりが​あっても​残る​リスク、​2026年の​法改正​(公布済み・未施行)、​公的な​相談先を知る

先に読むとよいレッスン:暗号資産とは何か、ウォレットと秘密鍵

目次

暗号資産交換業者の​役割を知る

暗号資産の​売買や​預かりを​業と​して​行うのが​「暗号資産交換業」で、​登録を​受けた​事業者が​交換業者です。

点線の​下線が​ある語は、​押すと​意味が出ます。

資金決済に​関する​法律は、​暗号資産交換業を、​次の​行為の​いずれかを​業と​して​行う​ことと​定めています​(2026年10月時点)。​この法律の​登録を​受けた​事業者が、です。

暗号資産交換業に​あたる​行為​(資金決済に​関する​法律の​定義を​もとに​した、​この教材の​言い換え⁠)

行為内容
売買⁠・⁠交換暗号資産を​売買したり、​他の​暗号資産と​交換したりする
媒介・取次ぎ⁠・⁠代理上の​行為の​仲立ちを​したり、​利用者に​代わって​行ったりする
利用者の​金銭の管理売買や​交換に​関して、​利用者の​金銭を管理する
暗号資産の管理他人の​ために​暗号資産を管理する

4つ目は、​他人の​ために​暗号資産を​管理する​こと、​つまり​預かる​ことです。​預けた​場合に​鍵を​もつのが​誰かは、​「ウォレットと​秘密鍵」の​レッスンで​見ました。​このレッスンでは、​預かる​側の​事業者に​どんな​決まりが​あるかを​学びます。

やさしく​言うと、​暗号資産の​売買や​預かりを​仕事に​する​ことが​「暗号資産交換業」で、​その登録を​受けた​会社が​「交換業者⁠」⁠です。

要点

暗号資産の​売買・​交換や​預かりなどを​業と​して​行うことが​暗号資産交換業で、​登録を​受けた​事業者が​交換業者です。

登録制の​しくみを知る

暗号資産交換業は、​内閣総理大臣の​登録を​受けた​者でなければ​行えません。

資金決済に​関する​法律は、​暗号資産交換業を、​内閣総理大臣の​登録を​受けた​者でなければ​行っては​ならないと​定めています。​登録を​申請する​ときは、​商号、​資本金の​額、​取り扱う​暗号資産の​名称、​暗号資産交換業の​内容と​方法などを​書いた​申請書に、​財務に​関する​書類や、​事業を​適正に​行う​体制に​関する​書類を​添えます。

登録を​受けた​事業者は​暗号資産交換業者登録簿に​登録され、​この登録簿は、​だれでも​見られるように​公開されます​(公衆の​縦覧)。​事業を​続ける​ための​財産の​裏づけ​(財産的基礎。​基準は​内閣府令で​定められます)や、​事業を​適正に​行う​体制が​足りない​法人などは、​登録を​拒否されます。

登録の​あとも、​法律などに​違反すると、​登録の​取消しや、​6か​月以内の​業務停止を​命じられる​ことがあります。​登録を​受けずに​暗号資産交換業を​行うことには、​罰則も​あります。​日本の​登録を​受けていない​外国暗号資産交換業者​(外国の​法令で​同種の​登録を​受けて​営む​事業者)が、​国内の​人に​売買などを​勧誘する​ことも​禁じられ​ています。

やさしく​言うと、​登録を​受けた​会社だけが​交換業を​営め、​登録の​あとも、​違反が​あれば​取り消される​ことがあります。

要点

暗号資産交換業は​登録制で、​登録は​取り消される​こともあり、​無登録で​行うと​罰則が​あります。

登録業者かを​確かめる​方法を知る

登録の​有無は、​金融庁の​登録一覧や​検索ページで​確かめられます。

金融庁(この節の出典の一覧へ)は​「暗号資産の​利用者のみなさまへ」の​ページで、​暗号資産交換業者は​登録が​必要であり、​利用する​際は​登録を​受けた​事業者かを​確認するよう​呼びかけ​ています。​同じページから、​暗号資産交換業者の​登録一覧に​進めます。

登録一覧には、​登録番号、​登録年月日、​事業者名、​法人​番号、​本店等の​所在地、​取り扱う​暗号資産などが​並び、​先頭には、​いつの​時点の​情報かと、​金融庁・財務局が、​一覧に​ある事業者の​取り扱う​暗号資産の​価値を​保証したり、​推奨したりする​ものではないと​いう​注意が​書かれています。​広告に​登録番号が​書かれていたら、​一覧の​登録番号や​名称と​照らして​確かめられます。​確かめる​手段は、​次の​とおりです。

  • 登録一覧:金融庁の​ページに、​PDF と​エクセルの​形式で​載っています。
  • 金融事業者一括検索機能:登録などを​受けている​金融事業者か​どうかを、​業種を​またいで​検索できる​機能です。​金融庁が​2026年1月30日に​運用開始を​公表しました。
  • 無登録業者の​名称等の​ページ:金融庁が​警告書を​出した、​無登録の​業者の​名称などが​載っています。

載っていないからといって、登録業者とは限りません

無登録業者の​ページには、​警告書を​出した​時点の​情報が​載っており、​必ずしも​今の​営業状況を​示す​ものでは​ありません。​載っていない​者が、​無登録で​営んでいることもあり​得ると、​金融庁は​注意を​呼びかけ​ています。

やさしく​言うと、​「登録されているか」は​事業者の​説明ではなく、​金融庁の​一覧や​検索で​確かめられます。

要点

登録の​有無は、​金融庁の​登録一覧や​検索機能で​確かめられます。​無登録業者の​ページに​載っていなくても、​登録業者とは​限りません。

確認問題

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利用者の​資産を​守る決まり

登録を​受けた​交換業者には、​利用者の​資産の​分別管理など、​利用者を​守る​ための​決まりが​あります。

資金決済に​関する​法律は、​交換業者に、​利用者の​金銭を​自己の​金銭と​分けて​管理し、​信託会社や​信託銀行など​(信託会社等)に​信託する​ことを​求めています。​信託は、​財産を​信頼できる​相手に​託して​管理して​もらう​仕組みです​(この​教材の​説明)。​利用者の​暗号資産も、​自己の​暗号資産としなければ​なりません。​管理の​状況は、​定期に​公認会計士または​監査法人​(会計の​専門家)の​監査を​受けます。

預かった​暗号資産は、​原則と​して、​利用者の​保護に​欠ける​おそれが​少ないとして​内閣府令が​定める​方法で​管理します。​ただし、​利用者の​利便や​業務の​円滑さの​ために​必要な​分は、​この方法に​よらなくてよい​例外と​されています。​その場合、​交換業者は、​例外とした​分と​同じ種類・​同じ数量の​暗号資産を、​自分の​暗号資産と​して​持ち、​ほかの​自己の​暗号資産と​分けて​管理しなければ​なりません。​分別管理の​ほかにも、​次のような​決まりが​あります。

  • 広告の​表示:商号、​登録業者である​旨と​登録番号、​暗号資産が​円などの​通貨ではない​ことなどを​表示する。
  • 説明:暗号資産の​性質や、​手数料などの​契約の​内容を​説明する。
  • 表示の​禁止:虚偽の​表示や、​専ら​利益を​図る​目的の​売買を​助長するような​表示をしない。
  • 苦情・紛争への​対応:苦情の​処理や、​紛争解決の​ための​措置をとる。

やさしく​言うと、​交換業者は、​預かった​利用者の​資産を​自分の​財産とは​分けて​管理し、​広告や​説明にも​守る​決まりが​あります。

要点

交換業者には、​利用者の​金銭・暗号資産の​分別管理と​監査、​広告や​説明の​決まりなどが​課されています。

それでも​残る​リスクを知る

決まりが​あっても、​損失の​可能性は​なくなりません。

金融庁(この節の出典の一覧へ)などの​注意喚起は、​暗号資産は​法定通貨ではなく、​価格が​変動し、​急落して​損を​する​可能性が​あると​述べています。​また、​価格​変動や​サイバーセキュリティなどの​リスクの​説明を​事業者から​受け、​十分に​理解する​よう​求めています。

架空の​例:登録業者でも、​円換算額は動く

これは​架空の​例です。​ミキさんは、​登録を​受けた​交換業者に、​架空の​暗号資産Xを​預けています。​預けた​時点の​Xは、​円換算で​100万円分でした。

  1. その後、​Xの​価格が​下がり、​円換算額が​60万円分に​なります。
  2. 交換業者は、​決まりの​とおり、​Xを​自己の​財産と​分けて​管理しています。

分別管理が​行われていても、​円に​換算した​額が​下がる​影響は、​利用者に​及びます。​決まりが​守られる​ことと、​価格の​上下は、​別の​ことです。

事業者の​事情に​よるリスクも​あります。​交換業者に​破産手続開始の​申立てなど​(支払いが​できなくなった​会社の​整理を、​裁判所に​求める​こと)が​行われた​とき、​届け出る​決まりが​法律に​あります。​また、​暗号資産の​管理を​任せた​利用者は、​分別管理の​対象の​暗号資産に​ついて、​他の​債権者より​先に​返して​もらう​権利​(弁済を​受ける​権利)を​もつと​定められ​ています。​ただし​(この​教材の​補足)、​これらの決まりが​あっても、​価格の​下落や​事業者の​経営悪化に​よる​損失が​なくなるわけでは​ありません。

「絶対にもうかる」と誘われたら

令和2年度に​寄せられた​消費生活相談の​典型事例には、​「絶対に​もうかる」と​持ち掛けられて​投資したが​出金できない、と​いった​事例が​あります。​誘われたら、​まず​登録の​有無を​確かめられます。

やさしく​言うと、​登録業者を​使っていても、​価格の​上下や​事業者の​事情に​よる​損失の​可能性は​残ります。

要点

決まりが​あっても、​価格の​変動や​事業者の​事情に​よる​損失の​可能性は​残ります。

確認問題

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2026年の​法改正を知る

暗号資産の​決まりを​金融商品取引法の​側に​移す法律は、​公布されましたが、​2026年10月時点で​主な​規定は​未施行です。

ここまでの​説明は、​2026年10月時点の​条文に​よります。​「金融商品取引法及び資金決済に​関する​法律の​一部を​改正する​法律」​(令和8年法律第64号)は、​2026年7月15日に​成立し、​2026年7月23日に​公布されました。は​成立した​法律を​国民に​知らせる​こと、は​決まりが​実際に​働き始める​ことです。

暗号資産に​関する​規定を​含む主な​規定は、​公布の​日から​起算して​1年を​超えない​範囲内で、で​定める​日に​施行されます。​2026年10月時点では​未施行です。​罰則に​関する​ものなど、​一部の​規定は、​公布の​日や​公布から​20日を​経過した​日に、​すでに​施行され​ています。

この法律案の​提出理由には、​暗号資産の​取引を、​資金決済に​関する​サービスと​しての​規制ではなく、​金融商品の​取引と​しての​規制の​対象と​する​こと、​暗号資産に​係る​情報の​公表制度などを​整備する​ことが​書かれています。​条文では、​金融商品取引法に​「暗号資産取引業」が​加わり、​資金決済に​関する​法律からは、​暗号資産の​章が​削られます。

施行の前と後

施行されるまでは、​この教材で​見てきた​資金決済に​関する​法律の​決まりが​働きます。​施行後は、​事業者の​区分の​呼び名や、​登録の​根拠と​なる​法律が​変わります。

やさしく​言うと、​法律は​公布されても、​主な​部分が​施行されるまでは​今の​決まりが​働き、​施行後は​金融商品取引法の​側の​決まりに​移ります。

要点

改正法は​2026年7月23日に​公布済みで、​主な​規定は​政令で​定める​日に​施行されます。​2026年10月時点で​未施行です。

困った​ときの​相談先を知る

不安な​ときや​被害に​あった​ときは、​金融庁の​ページに​載っている​相談窓口が​あります​(2026年10月時点⁠)⁠。

金融庁(この節の出典の一覧へ)の​ページには、​次の​相談窓口が​載っています。​金融庁・消費者庁・警察庁(出典「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」を別のタブで開きます)の​注意喚起は、​困った​ときは​一人で​抱えず、​相談窓口に​相談する​よう​呼びかけ​ています。

  • 暗号資産を​含む金融​サービスの​一般的な​相談:金融庁の​金融サービス​利用者相談室​(平日10時から​17時、​ナビダイヤル0570-0168⁠1⁠1⁠)⁠。
  • 暗号資産の​不審な​勧誘の​相談:消費者​ホットライン188​(局番なし)。​お近くの​消費生活相談窓口が​案内されます。
  • 詐欺と​思われる​トラブル:​最寄りの​警察本部、⁠警察署。
  • その他の​一般的な​相談:日本暗号資産等取引業協会。

登録を​受けた​交換業者には、​苦情の​処理や​紛争解決の​ための​措置を​とることが、​法律で​求められ​ています。​利用している​事業者に、​まず​苦情を​伝える​方法も​あります​(この​教材の補足⁠)⁠。

やさしく​言うと、​迷った​ときや​被害に​あった​ときは、​一人で​抱えず、​公的な​窓口に​相談できます。​この教材は、​特定の​事業者や、​暗号資産の​売買を​すすめる​ものでは​ありません。

要点

迷った​ときや​被害に​あった​ときは、​金融庁の​相談室、​消費者​ホットライン188、​警察などに​相談できます。

理解度チェック

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まとめ

このレッスンで​押さえたい​ことです。

  • 暗号資産の​売買・​交換や​預かりを​業と​して​行うことが​暗号資産交換業で、​内閣総理大臣の​登録を​受けた​者だけが​行えます​(2026年10月時点⁠)⁠。
  • 登録の​有無は、​金融庁の​登録一覧や​金融事業者一括検索機能で​確かめられます。​無登録業者の​ページに​載っていなくても、​登録業者とは​限りません。
  • 交換業者には、​利用者の​金銭・暗号資産の​分別管理と​監査、​広告や​説明の​決まりなどが​課されています。
  • 決まりが​あっても、​価格の​変動や​事業者の​事情に​よる​損失の​可能性は​残ります。
  • 改正法​(令和8年法律第64号)は​2026年7月23日に​公布済みで、​主な​規定は​政令で​定める​日に​施行されます。​2026年10月時点で​未施行です。

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出典と最終確認日

このレッスンの​事実は 2026年10月11日 に​確認しました。

ご利用にあたって

この教材は​一般的な​情報を​伝える​ための​もので、​特定の​商品の​売買や​投資を​勧める​ものでは​ありません。​税や​法律など​個別の​判断は、​金融庁や​国税庁などの​公的な​情報を​確かめたうえで、​専門家に​ご相談ください。